ホーム > 近代フランス大学人の誕生
目次
第Ⅰ部 近代フランス大学人史前史
第一章 教授職と聖職禄
イエズス会の追放と教授職/高等法院と大学の構想/教授職のキャリアー化
第二章 教授養成機関の創設
自由学芸教授養成の慣行的形態/小規模コレージュの頽廃とコレージュ改革の構想/自由学芸教授養成機関の発足
第三章 選抜試験「コンクール・ダグレガシヨン」の発足
はじめに/コンクール・ダグレガシヨンの構想/発足/意義および結果
第Ⅱ部 基 本 法
第一章 ナポレオンの帝国大学法
はじめに/帝国大学の名の下における教員団の創設に関する法律/大学の組織に関するデクレ
第二章 「高等教育の自由に関する1875年法律」に関するラブーレ委員会法案と国民議会
はじめに/高等教育の自由の運動/ラブーレ委員会提出の法案/国民議会における一般討論
第Ⅲ部 ドイツ大学という鏡
第一章 「講義」,「学生」
はじめに/調査・研修報告/報告の主題および執筆者/報告の論調(基調,講義,学生)/結びに代えて
第二章 「教授」,「ゼミナール」
はじめに/教授――知的貴族階級か/ゼミナール――ゼミナールかコンフェランスか
第Ⅳ部 十九世紀末フランス「知識界」の変容
第一章 「知識界」の形態学的変容
「自由業」の膨張と分極化/「自由業」における文化生産者/「知識界」の形態学的変容に伴う危機
第二章 「知識界」のイデオロギー的変容
文化生産者像の史的系譜――文人から科学者へ/支配的な社会的表象としての科学者
第Ⅴ部 世紀転換期フランス大学人の変貌
第一章 世紀転換期仏エリート大学人の同質化
はじめに/大学人の社会職業的出自/大学人の地理的出自/第二帝政期との対比における世紀転換期のパリ大学人/結びに代えて
第二章 世紀転換期仏エリート大学人の差異化
はじめに/教授就任年齢/キャリアー戦略
補遺 世紀転換期ヨーロッパにおける国際的大学市場の出現??学業および学位の国際的等価性を中心に
はじめに/「国際高等教育会議」における「学業および学位の国際的等価性」/国際的大学市場の出現/結び
第一章 教授職と聖職禄
イエズス会の追放と教授職/高等法院と大学の構想/教授職のキャリアー化
第二章 教授養成機関の創設
自由学芸教授養成の慣行的形態/小規模コレージュの頽廃とコレージュ改革の構想/自由学芸教授養成機関の発足
第三章 選抜試験「コンクール・ダグレガシヨン」の発足
はじめに/コンクール・ダグレガシヨンの構想/発足/意義および結果
第Ⅱ部 基 本 法
第一章 ナポレオンの帝国大学法
はじめに/帝国大学の名の下における教員団の創設に関する法律/大学の組織に関するデクレ
第二章 「高等教育の自由に関する1875年法律」に関するラブーレ委員会法案と国民議会
はじめに/高等教育の自由の運動/ラブーレ委員会提出の法案/国民議会における一般討論
第Ⅲ部 ドイツ大学という鏡
第一章 「講義」,「学生」
はじめに/調査・研修報告/報告の主題および執筆者/報告の論調(基調,講義,学生)/結びに代えて
第二章 「教授」,「ゼミナール」
はじめに/教授――知的貴族階級か/ゼミナール――ゼミナールかコンフェランスか
第Ⅳ部 十九世紀末フランス「知識界」の変容
第一章 「知識界」の形態学的変容
「自由業」の膨張と分極化/「自由業」における文化生産者/「知識界」の形態学的変容に伴う危機
第二章 「知識界」のイデオロギー的変容
文化生産者像の史的系譜――文人から科学者へ/支配的な社会的表象としての科学者
第Ⅴ部 世紀転換期フランス大学人の変貌
第一章 世紀転換期仏エリート大学人の同質化
はじめに/大学人の社会職業的出自/大学人の地理的出自/第二帝政期との対比における世紀転換期のパリ大学人/結びに代えて
第二章 世紀転換期仏エリート大学人の差異化
はじめに/教授就任年齢/キャリアー戦略
補遺 世紀転換期ヨーロッパにおける国際的大学市場の出現??学業および学位の国際的等価性を中心に
はじめに/「国際高等教育会議」における「学業および学位の国際的等価性」/国際的大学市場の出現/結び
内容説明
大学を構成する人的集団である大学人の観点から近代フランス大学史を考察した画期的業績である。
前半は大革命の三十年ほど前からナポレオンの帝国大学に至る時期を扱う。聖職録のための教授職から近代的キャリアーとしての教授職へ,見習い奉公的教授養成から学業成績に基づく組織的教授養成の試みなど教授の専門職化の過程を分析し,さらにナポレオンの帝国大学に関する二つの主要立法を翻訳・検討し,学位授与権がカトリック教会から国立学部の独占へと移行する実態を明らかにする。
後半は第二帝政末期からドイツ大学における調査研修をとおして形成された総合大学の時期を対象とする。少壮エリート大学人によるドイツ大学の講義,学生,教授およびゼミナールの観察が職業的キャリアーの創出という彼ら自身の課題に与えた影響を考察。また1870-90年代にかけて再編成されたフランス「知識界」の実態を分析,知識人の原型が科学者であり,1901年のパリ大学人の職業的,地理的出自から,世紀末の高等教育改革による同質化を析出,さらに彼らのキャリアー戦略が文人モデルから科学者モデルへと転換したことをめぐり,新しい集合的人物像である「知識人」の誕生が促された。
前半は大革命の三十年ほど前からナポレオンの帝国大学に至る時期を扱う。聖職録のための教授職から近代的キャリアーとしての教授職へ,見習い奉公的教授養成から学業成績に基づく組織的教授養成の試みなど教授の専門職化の過程を分析し,さらにナポレオンの帝国大学に関する二つの主要立法を翻訳・検討し,学位授与権がカトリック教会から国立学部の独占へと移行する実態を明らかにする。
後半は第二帝政末期からドイツ大学における調査研修をとおして形成された総合大学の時期を対象とする。少壮エリート大学人によるドイツ大学の講義,学生,教授およびゼミナールの観察が職業的キャリアーの創出という彼ら自身の課題に与えた影響を考察。また1870-90年代にかけて再編成されたフランス「知識界」の実態を分析,知識人の原型が科学者であり,1901年のパリ大学人の職業的,地理的出自から,世紀末の高等教育改革による同質化を析出,さらに彼らのキャリアー戦略が文人モデルから科学者モデルへと転換したことをめぐり,新しい集合的人物像である「知識人」の誕生が促された。