内容説明
われわれが現実の社会とのかかわりの中に一歩踏み込み,哲学と向かい合って自覚的に「生きる」ということ,そして実践をとおして哲学を「使いこなす」ことの意義を,さまざまな経験を問うことにより明らかにする。
第Ⅰ部では哲学史の中から,今日の哲学に組み込まれている多くの概念を提起したアリストテレス,人間の思考に多くの選択肢をあたえてくれるヘーゲル,さらに内的体験から哲学的思索を深めたキルケゴールを取り上げる。
第Ⅱ部では実際に行われた北欧のフィールドワークをモデルに,準備すべき道具だてやスケジュールのつくり方を示して,哲学的経験の獲得とその表現方法を指南する。
第Ⅲ部では技術・芸術・社会的行為という,現実を「つくる」行為に直接関連するテーマから,経験を形成する最新の考察を収載する。巻末の用語集は,前巻より引き続き基礎力養成に役立つ格好の教材となろう。
「諸学の基礎は哲学にあり」という建学の精神を踏まえて,東洋大学哲学科のスタッフを中心とした気鋭の執筆陣による,最良のテキストシリーズ第3弾。